愛知県名古屋市にある真言宗のお寺、八事山興正寺。
ここでは、毎年10月に千燈祭(せんとうさい)が行われています。
千燈祭は、100年以上前に起きた濃尾地震の際に、
亡くなった人を供養するために始まりました。
名古屋最大の火祭りとされていて、
当日は1000個近い灯籠が境内にずらりと並べられ、
大きな炎が立ち上る大護摩を囲んで天まで祈りを捧げます。
千燈祭では同時に稚児行列も開催され、
可愛らしい子供達の練り歩く姿を見ることができますよ。
また、お寺というとお墓参りや法事などでしか訪れることがなく、
普段はあまり行かないイメージがありますよね。
しかし、この興正寺では毎月縁日やマルシェなどの催しものも行なっており、
地域でも大変人気のお寺なんです。
今回は、この興正寺で行われる千燈祭の日程と見どころ、
そして気になる縁日やマルシェについても解説していきますよ。
興正寺の千燈祭2019の日程と概要
2019年の興正寺の千燈祭は、
10月12日(土)に開催予定です。
尾張徳川の時代に建造された興正寺は、
五重塔が国の重要文化財に指定されるなど歴史的にも著名なお寺です。
敷地の一部は浅田真央さん、村上佳菜子さんの出身校でもある
中京大学に提供されており学生の出入りもあります。
【アクセス】
地下鉄鶴舞線・名城線「八事」駅で下車後、1番出口から徒歩3分
【料金】
無料
千燈祭のスケジュールは、
15時開始で19時頃に終了すると予想されます。
当日のスケジュールは以下の通りです。
15:00 和太鼓奉納
日没頃 願い燈籠、供養燈籠点灯
17:00 披露株
17:45 紫燈大護摩(さいとうおおごま)祈祷開始
紫燈大護摩点火、稚児祈祷、和太鼓奉納
特別大護摩祈祷
火生三昧(火渡り)
19:00 千燈祭終了
インド系の宗教では火を用いた儀式のことを「護摩」といいます。
テレビなどで熱い炎に向かって、
お坊さんがお経を読む姿って見たことありませんか?
あれは、火によって煩悩を焼き尽くしながら
仏様に祈りを捧げる修行なんですね。
紫燈大護摩祈祷では、大きく燃え盛る炎に向かって、
参加者が護摩木(願いを書いたお札のような木)を投じることで、
それぞれの願いを仏様に届けます。
千燈祭では供養燈籠や特別護摩木、お札などを
事前に申し込めば授与していただくことができるので、
あらゆる願いを叶えてくれると言われている紫燈大護摩祈祷を、
ぜひ千燈祭で体験してみてください。
興正寺の千燈祭の見どころは?
毎月の定例の縁日、マルシェでは、
多くの方々が買い物を楽しむ姿が見られますが、
年に一度、中秋の名月の夜に千燈祭は行われます。
千燈祭の見どころは、
やはり大日堂前で行われる紫燈大護摩祈祷です。
少し奥に入った場所でとても大きな胡麻木が炊かれ、
炎がなんメートルも高くあがります。
日もくれている中での光景はとても幻想的であり、
さほど混んでいるわけでもありません。
カップルが訪れて、ふたりで願い事をするのには、
とてもいいスポットではないかと思います。
最初は真っ白な煙が上がり、
やがては高さ数メートルの炎へと変わっていく姿は圧巻です。
次第に大きくなっていく炎を見るだけでも
心が洗われていく気がしますよね。
実際、この激しい炎が、
人々の煩悩や苦悩などを焼き尽くして失くしてくれるのだそうです。
見ている観客も炎の熱風で熱くなりますが、
だからこそ心が浄化されていくのでしょうね。
最初は人の高さほどある護摩壇ですが、焼き尽くされて灰になると、
次は火生三昧(かしょうざんまい)と呼ばれる火渡りが行われます。
火渡りでは、参加者が列になって燃え尽きた灰の上を裸足で歩くことで、
知らないうちに身に積もった厄や埃を浄めるという意味合いがあります。
もちろんさっきまで燃えていたわけですから、
灰といえども熱いです。
その上をあえて歩くことで、
運気の流れを変えて幸せを呼ぶことができるのだとか。
最近物事が上手くいかない、これから頑張りたいことがあるという人は、
せっかくのチャンスなので参加してみても良いかもしれませんね。
興正寺の縁日
興正寺では毎月、5日と13日に縁日が開催されて、
毎回たくさんの人で賑わっています。
縁日ではたくさんの屋台が並ぶので、
お祭りの日でなくても気軽に立ち寄ることが出来ます。
野菜や魚など屋台で直接やりとりしながら売り買いできるのは、
スーパーとはまた違った楽しみがありますよね。
他にも、甘酒、お団子、おまんじゅうなど、
美味しい和スイーツにも出会うことが出来ますよ。
食器やお花、洋服まで何でも揃っているので、
とりあえず行ってみてぶらぶらしたら
素敵な掘り出し物に出会えるかもしれません。
ただ、とても人気なので、
お目当ての物がある場合は早めに行った方が良いでしょう。
9時から開催されており、朝一が一番賑わいます。
昼前には売り切るために安くなっていることもあるので、
お値打ち価格のものを狙うなら、
お昼前の時間帯に行くのがおすすめですよ。
興正寺のマルシェ
最近各地で「〇〇マルシェ」というようなイベントが開催されていますが、
「マルシェって何?」って思ったことありませんか?
手作りのものが売ってあるような
フリーマーケットのようなイメージがありますが、
実はマルシェとはフランス語で「市場」という意味なんです。
でも「市場」より「マルシェ」と言った方が、
お洒落な感じがするから不思議ですね。
マルシェというと、
若い人でも気軽に行きやすい気持ちなるのかなと思います。
ちなみにフリーマーケットは、
中古品や不用品を売る、交換する市のことを意味するので、
マルシェとは意味が異なります。
日本語では「蚤(ノミ)の市」とも言ったりしますね。
興正寺の境内でもマルシェが、
毎月、21日10時から15時まで開催されています。
縁日は年配の方が多いのに対して、
マルシェは若い人が多く見られます。
売ってあるものも様々で、
産直の無農薬野菜や無添加の焼き立てパン、
手作りお菓子などの体に優しい加工食品も数多く取り揃えられていて、
ついつい買ってしまいたくなるものばかりです。
また、一つ一つ心を込めて手作りした布製品や木工品などもあり、
大量生産のものとは違った暖かみや使いやすさが人気ですよ。
会場には最近授乳スペースも設置されたので、
まだ小さいお子さんがいるママでも、
ゆっくりと楽しむことが出来るようになりました。
ここにしかない可愛いものや美味しいものに出会える
興正寺マルシェにも足を運んでみてくださいね。
まとめ
お寺というとあまり馴染みがない方も多いかと思いますが、
興正寺はそんなイメージを覆してくれるような千燈祭や縁日、
マルシェなどを行っています。
特に、千燈祭では、
煩悩を焼いて願いを天に届けることを目的としているので、
行ってみるだけでも
心が洗われるような気持ちになることができますよ。
目まぐるしく過ぎてゆく毎日ですが、
大護摩の炎と向き合って気持ちを一度リセットするのも良いかもしれませんね。