どんなに仲の良い夫婦でも、些細なことで喧嘩することってありますよね。
冷静に話し合いで解決できればそれが一番ですが、なかなか折り合いがつかず、さらに喧嘩が激しくなってしまうことも。
私も、大人同士の喧嘩は子どもの教育上よろしくないと分かっているのに、ついカッとなって声を荒げてしまい、後悔したことが何度かあります。
その時の娘の泣きそうな顔が、今も忘れられません。
また、子どもの心はとても繊細に出来ています。大好きなお父さんとお母さんが喧嘩していた記憶というのは、悲しい思い出として心に深く刻み込まれます。
それは同時に、心の傷でもあり、これからの成長に支障をきたす恐れのあるものです。
もしそんな傷がいくつも出来てしまったら…?子供にとって安心できるはずの人や場所が、不安をもたらすものへと変わってしまうのだけは避けたいですよね。
では、親は子供のためを思って喧嘩しないように生活するのが正解なのでしょうか。
夫婦といえど、元々は赤の他人同士。相手への理解を深めるためには、お互いの思いを知る必要があります。
それは時に喧嘩という形になることもありますが、「雨降って地固まる」という言葉もあるように、言いたいことをぶつけ合うことにより問題が解決することもあります。
そう考えると、喧嘩をすること自体を避けるというのも何だか違う気がしますよね。
今回は、そんな夫婦喧嘩が子供にもたらす影響や、夫婦喧嘩を見られてしまった時の対応の仕方を解説していきます。
夫婦喧嘩は子供にどんな影響がある?
親も一人の人間ですから、不満や怒りをぶつけたくなることもあります。
でも、もしそれが子供の目の前で繰り返されているのだとすれば、子供に悪影響なのは火を見るよりも明らかです。
では具体的にどのような影響が考えられるのでしょうか。たくさんある中で、3つのデメリットについて見ていきたいと思います。
〈PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症する〉
家庭という世界に生きる子供にとって、怖くて不安でも他に逃げ場はありません。
両親の声を荒げる姿や怖い表情により、子供は恐怖心・不安感といったストレスを抱え込むことになります。
喧嘩の理由やなぜ怒っているかなどは、理解できない子供にしてみれば無意味でしかありません。
その溜め込んだストレスが、後に頭痛・腹痛、不眠などの身体症状、パニック障害やひきこもり、摂食障害など様々なPTSDの症状を引き起こすのです。
〈不眠による成長の阻害〉
昔から「寝る子は育つ」とよく言いますが、これは寝ている間に分泌される成長ホルモンが身体の成長を促すという科学的根拠があります。
しかし、大人でも不安なことがあるとねれない時ってありますよね。両親が喧嘩していると、子供は不安でたまらないので安心して眠ることができなくなります。
そうすると、成長ホルモンが分泌されず、背が伸びなかったり免疫力が下がるなど、様々な問題が出てきます。
〈自己肯定感が低くなる〉
自己肯定感とは、「自分は大切な存在だ」と無条件に感じる心のことです。
自己肯定感がしっかりしている子は、堂々として打たれ強く、周りとも自然と信頼関係を築くことができます。
しかし、両親の喧嘩を見た子供は「自分のせいでお父さんとお母さんが喧嘩している」と感じて、自己否定してしまうのです。
子供が自分のせいだと感じるのは、絶対的存在である親は間違ったことをしないと思っているからです。
ただし、これらは毎日のように子供の目の前で喧嘩を繰り返す家庭で育った場合です。
たまに喧嘩するのはどこの家庭でも良くあること。家庭をより良い方向へ向けるための喧嘩なら必要なこともあります。
ただし、子供が不安になるような喧嘩の仕方は避け、以下のような工夫をしましょう。
・大声で感情に任せて怒鳴りあうのではなく、少し客観的に心を落ち着けてから話す
・攻撃的な言い方をせずに、言葉を選びながら伝える
これらの様な工夫をすることで、相手にも思いが伝わりやすく、子供を怖がらせたり不安にさせる心配もありません。
夫婦喧嘩を見られたときの子供へのフォローはどうする?
子供にとってはお父さんやお母さんが言うことが全てなので、「間違ったことを言うはずがない」と信じています。
そんな二人が言い合いをしていると、きっと自分が悪いことをしたんだと思い込んでしまいます。
全く関係がないのにそんな風に思わせてしまっては、大人としても親としても情けないですよね。
ですから、夫婦喧嘩を子供に見られてしまった時は、必ずフォローするようにしましょう。
カッとなっても、子供の顔を見ると少し気持ちを落ち着けることができます。
そして「大きい声を出してしまってごめんね。怖かったよね。」「あなたが悪いんじゃなくて、パパやママが悪いんだよ。」と、まずはちゃんと目を見て伝えてください。
その後に、子供の気持ちや言葉を全て聞いてあげるようにしましょう。きっと、喧嘩している様子を見て、不安や悲しみでいっぱいになっているはずです。
ぎゅっと抱きしめて、子供の心を受け止めてあげてください。
夫婦喧嘩のイライラの矛先を子供に向けるようなことは決してしてはいけません。そして、間違っても喧嘩の原因を子供のせいにしないこと。
夫婦喧嘩を目撃しているだけでもショックなのに、さらに追い討ちをかけたら、子供は自己否定して立ち直れなくなってしまいます。
夫婦喧嘩を子供に見られてしまった時、大切なのはその後のフォローです。
子供の不安な心を受け止めてちゃんと話せば、きっとまた安心した顔に戻ってくれますよ。
まとめ
子どもの前では喧嘩していることを隠していても、子どもはとても敏感なのでその雰囲気をすぐに察知します。
ピリピリした中に置かれる状況は、大人でも耐えがたいのに子どもにとってはとても辛いはずですよね。
夫婦喧嘩は子供に悪影響を与えないように工夫しながら、そして子供たちの手本になれるようきちんとお互いに謝って終わるようにしましょう。
そうすれば、子どもにとって安心できる家庭になるはずですよ。
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