スーツのトラブルでもっとも多く聞かれるのが、
『ズボンの裾がほつれて、折り返し部分が落ちて来た』または、
『糸が輪っかになって飛び出して来た』というものです。
ズボンの裾の折り返し部分は、まつり縫いと言って、
細い糸で、縫い目が外に出ないように仕上げてあるため、
歩いているうちに糸が切れてほつれてしまうことが多く、
また、素人が元に戻すのが難しい箇所でもあります。
縫い糸でもない糸が、
布地の真ん中から突然飛び出しているような場合は、
布地そのものを構成している糸
(布は普通、糸を縦横に織って作られています)が、
引っかけたか何かの理由で、
そこだけゆるんで出て来てしまったと考えられます。
今回はそんな、
スーツの糸のほつれ直しについてご紹介して行きたいと思います。
スーツの糸のほつれの簡単な直し方!
スーツの糸でほつれやすいのは、
ジャケットよりも圧倒的にズボンの方です。
一番多いのが、ズボンまたはスカートの裾の折り返し部分で、
その次がズボンの股の縫い目の部分です。
どちらの場合も、糸が一箇所ほつれると、
そこからつるつると全部ほつれていってしまいます。
外出先でスカートやズボンのほつれに気づいたときは、
早い段階で糸を結ぶなどして、
それ以上ほどけないよう対策することが必要です。
①まず出ている糸の根元の部分を持って、
数cm、手前に引きます。
②糸の先端が穴から抜けるとさらにほつれてしまいますので、
先が抜けない程度に引っ張って手繰り寄せてください。
そうすると手繰り寄せた分、糸がたるんで、
折り返しのところに大きな輪っかができると思います。
③糸の先端を輪っか部分にくぐらせて、
そのまま先端を持ったまま引いてください。
糸がぎゅっと締まって、それ以上ほどけなくなります。
④すでにほつれてしまった折り返し部分は、
裏から安全ピンなどで留めておきましょう。
応急処置としてはこれで十分です。
あとは家に帰ってからリフォーム屋さんに持って行って直してもらいましょう。
たまに市販の「裾上げテープ」を貼って、
自力でリフォームしてしまう人がいますが、あまりおすすめできません。
テープを貼っていると、
クリーニング屋さんで預かってもらえない場合があるためです。
高温でプレスした際に、テープの接着剤が溶け出して、
仕上がりが汚くなってしまったという事故の事例も少なくありません。
裾のほつれは、普段からスーツで歩き回っている人に多く、
股の縫い目がほつれるのは、太り気味の方が多いようです。
元々太っている人よりも、中年になって急に太った人が、
今までと同じズボンをはいていたために、
股のところがほつれてしまったという事例が多く見られます。
男性は歳をとるとどうしても太りやすくなってしまいますから、
40歳を過ぎたら、ズボンのサイズには注意が必要です。
スーツの糸が飛び出してきた場合は切っても大丈夫!?
スーツの布地の表面の縫い目もないところから、
いきなり糸が飛び出している場合には、また違った対応になります。
まず、糸を切ってはいけません。
切るともう元に戻せないどころか、
さらにほつれがひどくなる場合があります。
今回は道具を使います。
裁縫用の針を1本用意してください。
マチ針ではなくて、穴があいている縫い針の方です。
①ほつれている箇所を狙って(なるべく糸の真横、ぎりぎりぐらいがベスト)、
スーツの表側から裏側に向かって針を刺します。
②針の穴に出ている糸を通したら、
そのまま裏側まで針を通します。
手芸用品店に行くと、「ほつれ補修針」といって、
針表面に糸がくっつく特殊なデザインの針が売られています。
これならば、糸を穴に通す手間がなく、
単に糸のそばに針を通して裏から引き抜くだけで良いので便利ですよ。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
スーツのほつれの直し方についてご紹介してきました。
糸が出ていると気になって、ついつい切ってしまいたくなりますが、
切らないで処置する方が元に戻せる可能性が高いのです。
ご紹介した方法をぜひ、試してみてくださいね。
参考になりましたら幸いです。
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